SweetSundaydate
「遊びに行こうよ」


「明日、何処か遊びに行かない?」
土曜日の仕事時間終了直後、
速水はいつもの『ぽややん』な笑顔で
『可愛い恋人』舞に言った。
「そなたと私でか?」
「うん。」
「二人だけでか?」
「うん。」
(も、もしかするとこれは、「でぇとの誘い」と
いうものなのかっ!?)
・・・もしかしなくても、そうなのですが・・・。
「都合・・・悪かった?」
その場で固まっている舞に、速水は困ったような顔で
首を傾げて問いかける。
舞はその言葉に、はっと顔をあげると
ぶるぶると首を横に振り、
「わ、わかった。まかせるがいい。」
と、答える。
語尾は恥ずかしさの余り、ごにょごにょと
口の中で混ぜ合わされていたが・・・。
しかし、速水にはとても嬉しい応えで、
ぱぁっ、と花が咲いたような笑顔になると、
「良かったぁ!!ありがと、舞。」
『じゃぁ、明日絶対だよ?』と念を押して
速水は走り去った。

笑顔の可愛い15歳。
芝村舞の恋人(カダヤ)・・・。
彼女はとことん、あの笑顔に弱い。


舞からの告白とは取れないような
告白をうけて、約1か月。
速水は彼女の期待に応え、めきめき成長してみせた。
戦闘におけるパートナーとしての絆は深くなるのに、
恋人関係に関しては、さっぱりである。
元来、戦闘、政治方面以外の知識は皆無に等しい舞だが
恋愛はソレに3つ位輪をかけた状態であった。
・・・デートにしたって、正しい定義を知らないだろう。
そんなわけで、速水は舞と未だ手を繋ぐことも
ままならない関係である。

ーそろそろ1段階、上がりたいなぁ。ー
速水の思い。
ー手を繋ぐ位、いいよね?ー
真っ赤になって、手を振り解こうとする
舞を想像して、思わず笑みがこぼれる。
ーそこが舞の可愛いとこなんだけど。ー
ぎゅっと、決意の握り拳。
その手にはチケットが握られている。

  
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