真昼の星
小隊に入って2回目の日曜日、速水は特に仕事も用事も無かったので
技能を上げるため公園へやってきた
うららかな午後。
うーん、と大きく伸びをして、うんていへと歩いているとベンチの向こうに見慣れた制服が見えた
自分と同じものだ。
とはいえ、男か女かもまだ判別できない。ベンチの向こうに寝転がっている形である
(誰だろ?)速水は歩み寄る
女子制服である事が解った
(女の子・・・!?こんな所で寝るなんて不用心だなぁ)
起こしてやろうと、慌ててベンチの裏を覗きこむと・・・
「しっ・・・芝村!?」
意外すぎる人物に驚き、思わず声に出してしまう。
そこで寝転がっていたのは、速水と同じ機体に乗り
戦場を駆ける彼のパートナーで芝村家の末姫、舞だった。
彼女は仰向けになって心地よさそうに眠っている。
普段は不機嫌そうな表情に見せる眉は下がり、意志の強い光を灯す瞳は閉じられ
唇からは穏やかな寝息がもれている
(わ・・・綺麗・・・)
柔らかな午後の光が彼女を射してまるで天使のようにみえた。
こんな寝顔してるんだ、と思って速水は我に返る。
(女のコがこんな所で寝てるなんてだめだよ)
・・・でも、あまりに綺麗で手に触れることは出来なくて・・・。
「芝村っ・・・芝村起きてよ」
少し大き目の声で呼びかける
すー、すー、という規則正しい寝息が一瞬止まり・・・
「うにゅ。」
と舞は小さく声をもらす。
(う・・・うにゅって・・・)
思いがけない舞の返事(?)の可愛さに速水は赤面する。
また寝息をたてはじめる舞に、はっと思い出し
「芝村っ、起きてってば!」
さっきより大きな声を出した成果か
舞は眉間にしわを寄せてうっすらと瞳を開き・・・次の瞬間
「なっ・・・なななっ何だ速水っ
そなた何をしておるっ!?」
がばっと体を起こし、開口一番怒鳴り散らしてくる。
「何って・・・芝村こんなとこで寝てるから・・・。」
速水は少し困ったように言い返す。
「うっ・・・。」
いまの自分の状態を見返し舞は口ごもる。
「す・・・すまない。」
少し頬を朱に染めて舞は謝罪する
「ところで芝村、こんなとこで何してたの?」
そもそも彼女は、こんな姿を余人にさらす様な人物ではない。
じっ・・・と速見は舞を見る

  
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