彼女はいつもそうだ。
だからこそ、俺はいつも不安だ。

一月に数回、カガリと俺はキラとラクスのところに訪れている。
カガリは、たまにしか会えない唯一人の家族。
双子の半身に会えて、ご機嫌なのか、
会うたびにいつも、ああやってキラを見つけては駆けて行き勢い良く抱擁をする。

特別なのは解っているつもりだ。
俺だって、キラは幼い頃からの親友で特別だ。
微笑ましいと思っていたが、こう毎回となると心境は複雑だ。

彼女が俺の中で特別になって数ヶ月。
キスはおろか、抱擁だなんて両手・・・・・・いや、片手で余りそうな勢いだ。
その辺りの頓着が無いのか
天真爛漫というか
彼女は色んな人間に抱きついたりする。
今、目も前にいるラクスも勿論のこと
ヤキンでの戦いの後、助けてくれたイザークにまで抱きついた位だ。
あの場で奴が硬直してなければ、絶対に殴られていたが
あの時ばかりは、イザークが女慣れしていないことを有難く思った。

カガリの抱擁は、いわゆる親愛の証のようなものだが
そうなると、彼女にとって自分の存在が何なのか気になる。

特別な恋人なのか
特別な友達なのか
・・・・・・確かめられないまま、今日まで過ごしている自分の情けなさに溜息が出る。

俺にもそうやって、抱きついて欲しい
などと言える訳が無く、その言葉を飲み込んだ。
不思議そうな顔をしたカガリから目をそらし、
部屋を出て行こうとしたが、急に衝撃を感じバランスを崩してしまう。

衝撃の正体は、カガリ。
尻餅をついた状態の俺の腰に抱きつく形で、一緒になって床に転がっている。
顔を上げた、その表情は悪戯好きの子供のようで、
到底一国を担う代表には見えない。
金に近い琥珀の瞳が楽しそうに俺を見ていて
抗議する言葉も失って、見入ってしまう。
いや、それよりも
カガリが俺に抱きついてきたことの方が嬉しかったというのが本音だろう。
黙って彼女の瞳を見てると、遮るように彼女が俺に手を伸ばしてきた。

残されたのは、温もりと、額に柔らかな感触。
余りにも無邪気で天然な攻撃に
反撃を考えることもなく
俺はぼんやりと、彼女が出て行ったドアばかり見つめていた。

自分でも情けないと思うが
かなりの効果の不意打ちだった。
男のくせに、リードすることも出来ないのは
何だか悔しいのだが、いつでもこの勝負は彼女の勝ちなようだ。







end


全年齢対象での初めての種デス漫画は
らぶらぶ少女漫画砂吐きモノでございます。
「KADAYA」のりまさまにサイト一周年お祝いとして押し付けました。
あたしの中では、アスランは白でなおかつへたれ満載でございます。
感情がこう、昂ぶらないとキスすら出来ないへたれっぷり。(笑)
イメージとタイトルは、ポップン系から
ナチュラルベアの「恋は天然」
悔しいけどいつでも、この勝負君の勝ち♪なのです
いつかは逆転できると良いですね(笑)
あ、姫がイザークに抱きついたのは想像です。
抱きつきそうだなと思っただけです。
すみません。


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